070の携帯は怪しい?知らない番号の正体と詐欺の見分け方を解説

疑問
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ふとスマホの画面を見ると、見知らぬ070から始まる電話番号の着信履歴が残っていてドキッとした経験はありませんか。

かつてはPHSのイメージが強かったこの番号帯ですが、最近では携帯電話として広く普及しているため、どこからかかってきたのか判断に迷うことが増えています。怪しい迷惑電話なのか、それともAmazonなどの宅配業者からの重要な連絡なのか、出るべきか出ないべきか悩んでしまいますよね。

この記事では、070番号の仕組みや詐欺のリスク、ワン切りやショートメールへの対処法についてわかりやすく解説していきます。

【この記事で分かること】

  • 070番号が携帯電話として使われている理由とPHSとの関係
  • 宅配ドライバーやビジネスなど正当な着信の可能性
  • 折り返し電話やSMSによる詐欺被害を防ぐ具体的な方法
  • 着信拒否設定や検索サイトを活用した迷惑電話対策

070の携帯は怪しいのか?番号の仕組みと実態

「070って昔のピッチ(PHS)じゃないの?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はその認識、半分正解で半分は過去のものなんです。ここでは、なぜ今070番号がこれほど増えているのか、その背景にある事情と、誰が使っているのかという実態について深掘りしていきます。

070の電話番号はどこから?PHSとの違い

私たちが普段使っている「090」や「080」といった携帯電話の番号は、爆発的なスマートフォンの普及とともに、数年前に枯渇してしまいました。総務省も新たな番号帯の開放を迫られ、そこで白羽の矢が立ったのが、かつてPHS(Personal Handy-phone System)専用として使われていた「070」から始まる番号帯です。この歴史的背景こそが、今の私たちの混乱を招いている最大の要因と言えるでしょう。

2013年11月以降、携帯電話(スマートフォン)にも070番号が正式に割り当てられるようになり、さらに決定打となったのが2014年のMNP(番号ポータビリティ)導入です。これにより、PHSからスマホへ番号そのままで移行するユーザーが急増しました。かつては「ピッチ」と呼ばれ、若者や医療現場で親しまれた070番号ですが、PHSサービスの終了に伴い、その多くがiPhoneやAndroidといった最新のスマートフォンへと引き継がれています。

現在では、新規でスマホを契約すると070番号になる確率が非常に高いのが現状です。特に、楽天モバイルやY!mobile、UQ mobileといったキャリアでは、新規契約者に070番号を付与するケースが一般的になっています。「090がいい」と希望しても在庫がなく、070しか選べないということも珍しくありません。つまり、070番号を使っている人は「昔からのPHSユーザー」か「最近スマホを契約した新しいユーザー」のどちらかであり、決して怪しい回線専用というわけではないのです。

知っていましたか?
かつては「070-5XXX」「070-6XXX」がPHS用、「070-1XXX」〜「070-4XXX」「070-7XXX」〜「070-9XXX」が携帯電話用と区分されていましたが、MNPの普及により現在はその境界も完全に曖昧になっています。つまり、番号の並びを見ただけで「これはPHSだ」「これはスマホだ」と断定することは事実上不可能です。

また、最近勢いのある「格安SIM(MVNO)」でも070番号が多く割り当てられています。通信費を抑えたい学生さんや、仕事とプライベートを分けるために2台持ちをするビジネスマンのサブ機として契約されることも多いため、「070からの電話=怪しい業者」と決めつけて着信拒否をしてしまうのは、少し早計であり、大切な連絡を逃すリスクがあると言わざるを得ません。

知らない番号070は出るべき?宅配の可能性

ここが一番の悩みどころですよね。知らない070番号からの着信、無視していいのでしょうか。結論から言うと、「完全に無視するのは生活上の不利益を被るリスクがある」と言わざるを得ません。なぜなら、私たちの生活に欠かせない「物流」の現場で、070番号がメインの通信手段として大活躍しているからです。

特にAmazon FlexやUber Eats、出前館などの個人委託ドライバー(ギグワーカー)は、大手運送会社のように会社から専用のハンディ端末や携帯電話を支給されていないケースが多々あります。彼らは業務連絡用として、個人のスマートフォンや、自分で契約した格安SIMの端末を使ってお客様に連絡をしています。その際、コストパフォーマンスに優れた格安SIMで取得しやすい070番号が使われる確率が非常に高いのです。

具体的には、以下のようなシチュエーションで電話がかかってきます。

  • オートロックの使い方が特殊で開かない時の確認
  • 住所の番地が抜けていたり、建物名が不明だったりする場合の確認
  • 置き配を指定されたが、雨で濡れそうな場所しかなく確認したい場合
  • 到着時の連絡(フードデリバリーで「到着しました」という合図)

もし、あなたがネットショッピングを利用して荷物の到着を待っているタイミングや、フードデリバリーを頼んでお腹を空かせている最中に070から着信があったなら、それは荷物を届けてくれているドライバーさんからのSOSである可能性が極めて高いです。

この場合、電話に出ないとどうなるでしょうか。ドライバーは届け先不明や不在として処理せざるを得ず、荷物は持ち戻りになってしまいます。結果として、楽しみにしていた商品がその日のうちに届かないばかりか、再配達の手続きという面倒な手間が発生します。最近では再配達の有料化なども議論されていますし、何よりドライバーさんの負担を減らすためにも、心当たりがあるタイミングでの070着信には、警戒しつつも一度出てみることを強くおすすめします。

070発信のショートメールは詐欺か確認

音声通話だけでなく、SMS(ショートメール/メッセージ)でも070番号は使われます。ドライバーさんが「到着しました」とSMSを送ってくれることもありますが、ここで最大限の注意が必要なのが、070番号を悪用した「フィッシング詐欺(スミッシング)」です。

「お客様の荷物を持ち帰りました。確認はこちら http://…」といった文面と共にURLが貼られているSMS、見たことありませんか?これは宅配業者を装った典型的な詐欺の手口です。正規の宅配業者(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便など)が、不在通知を070などの個人の携帯番号から発信することは、現在の運用ルールでは基本的にあり得ません。公式な不在通知は、専用のアプリ通知、LINE公式アカウント、あるいは紙の不在連絡票で行われます。

絶対にタップしないで!
URLをタップすると、本物そっくりの偽サイト(Amazon、楽天市場、銀行、携帯キャリアなど)に飛ばされ、ログインIDやパスワード、最悪の場合はクレジットカード情報の入力を求められます。また、Android端末の場合、不正なアプリ(マルウェア)のインストールを促されることもあります。070発信のSMSにあるURLは、100%疑ってかかってください。

見分けるポイントはシンプルです。「070から始まる携帯番号からのSMS」で「URLがついている」場合、それは詐欺だと判断してほぼ間違いありません。本物のドライバーさんがSMSを送る場合、「玄関前に置きました」「迷っています」といった事務連絡のみで、怪しいURLを送りつけることはないからです。

もしこのようなSMSが届いたら、URLは絶対に開かず、メッセージ自体を削除するか、スマホの迷惑メッセージ報告機能を使ってブロックしてください。興味本位でアクセスするだけでも、アクセス履歴から「この番号はカモだ」と判断されるリスクがあるため、完全に無視を貫くのが正解です。

070に出てしまった時のリスクと対応

「うっかり知らない070番号に出てしまった!」という場合でも、過度に焦る必要はありません。よく「電話に出ただけで個人情報が抜かれるのでは?」と心配される方がいますが、単に電話に出ただけで、スマートフォンの内部データがハッキングされたり、電話帳が流出したり、法外な通話料金が発生したりすることは、現在の通信技術の仕組み上、ほぼ不可能です。

しかし、リスクがゼロというわけではありません。悪質な詐欺グループや名簿業者は、プログラムを使ってランダムに電話をかけまくり、「この番号は現在使われていて、かつ電話に出る人間が持ち主だ」という生存確認(アクティブチェック/クリーニング)を行っている可能性があります。

電話に出てしまうと、あなたの番号は「生きた番号(カモリスト候補)」としてマークされ、その情報が裏のリストとして売買される恐れがあります。その結果、以降もしつこい勧誘電話や、別の詐欺電話がかかってきやすくなるという二次被害が考えられます。

もし電話に出てしまい、相手が無言だったり、機械的な自動音声だったり、あるいは「マンション投資に興味はありませんか?」といった怪しい勧誘だったりした場合は、「何も話さずに、即座に電話を切る」のが唯一にして最大の防御策です。

「いいえ、結構です」と丁寧に断ったり、「どうしてこの番号を知っているんですか?」と質問したりしてはいけません。あなたの性別、年代、話し方の雰囲気などの情報を相手に与えてしまうことになるからです。相手は犯罪者や悪質業者です。礼儀は必要ありません。無言で切り、すぐに着信拒否設定を行う。これが鉄則です。

070からのワン切り目的と仕組みを解説

着信音が「プルル…」と1回だけ鳴ってすぐに切れる「ワン切り」。これも070番号から頻繁にかかってくることがあります。このワン切りの目的の多くは、先ほど触れた「有効な電話番号のリストアップ」か、もしくは「ターゲット側から折り返し電話をさせること」にあります。

人間には「不在着信があると、誰かと思って確かめたくなる」という心理があります。詐欺業者はその心理を巧みに利用します。もしあなたが好奇心に負けて、履歴に残った070番号に折り返し電話をしてしまったらどうなるでしょうか。

最も多いパターンは、アダルトサイトや出会い系サイトの自動音声ガイダンスに繋がり、「ご登録ありがとうございます。利用料金は〇〇円です」と一方的に請求される架空請求詐欺です。また、最近では「お金が配られます」「副業で稼げます」といった甘い言葉でLINE登録へ誘導する手口も横行しています。

かつては国際電話(+から始まる番号)を使ったワン切り詐欺が話題になりましたが、最近では国内の070番号を使ったワン切りも増えています。これは、かけ放題プランなどを悪用して通話料をかけずに大量発信しているためと考えられます。

対策はシンプルです。「大切な用件なら、留守番電話にメッセージを残すか、時間を置いてもう一度かけてくるはず」と割り切ることです。心当たりのないワン切りには絶対に折り返さないというルールを徹底しましょう。もし本当に重要な相手(役所や病院など)であれば、必ず何らかのメッセージを残すか、別の手段で連絡をしてくるはずですから。

 

070の携帯が怪しいと感じた時の詐欺対策

070番号は便利な反面、詐欺グループや悪質な勧誘業者にとっても「安く大量に手に入る使い捨ての連絡手段」として悪用されやすい側面があります。敵を知り、己を守る。ここでは、怪しい着信から身を守るための具体的な対策設定や、2024年から2025年にかけて流行している最新の詐欺トレンドへの対処法をご紹介します。

070の迷惑電話を着信拒否する設定方法

しつこい不動産勧誘や無言電話には、端末ごとの「着信拒否設定」で対抗しましょう。一度設定してしまえば、通知すら来なくなるので精神的なストレスが劇的に軽減されます。ここではiPhoneとAndroidの標準機能を使った設定方法を解説します。

iPhone (iOS) の場合

  1. ホーム画面から「電話」アプリを開き、「履歴」タブをタップします。
  2. 拒否したい電話番号の右側にある青い「i」マーク(インフォメーション)をタップします。
  3. 情報画面が開くので、一番下までスクロールし、「この発信者を着信拒否」をタップします。
  4. 確認のポップアップが出るので、「連絡先を着信拒否」を選べば完了です。

また、iPhoneには「不明な発信者を消音」という強力な機能もあります。「設定」>「電話」からこの機能をオンにすると、連絡先に登録していない番号からの着信は音を鳴らさずに直接留守番電話に送られます。ただし、これだと宅配便などの必要な電話にも気づけなくなるリスクがあるため、ご自身のライフスタイルに合わせて慎重に設定してください。

Android の場合

  1. 「電話」アプリを開き、「履歴」タブを表示します。
  2. 着信拒否したい番号を長押しします。
  3. 表示されたメニューの中から「ブロックして迷惑電話として報告」を選択します。
  4. 「ブロック」をタップして完了です。

さらに強力な対策として、各携帯キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)が提供している「迷惑電話ブロックサービス」を利用する方法があります。これはスマホに着信する前段階、つまりネットワーク側で迷惑電話をシャットアウトしてくれるサービスです。月額数百円のオプションであることが多いですが、「トビラシステムズ」などの膨大な迷惑電話データベースと連動しており、最新の詐欺番号を自動で拒否してくれるため、セキュリティ効果は抜群です。

070で警察を名乗る詐欺電話に注意

最近、ニュースでも話題になっており、特に気をつけたいのが「警察官」や「検察官」を名乗る詐欺電話です。以前のオレオレ詐欺は固定電話にかかってくるイメージでしたが、最近では若者や現役世代を狙って、070の携帯番号から直接かかってくるケースが急増しています。

手口は非常に巧妙かつ劇場型です。「警視庁捜査二課の〇〇です。あなたの銀行口座がマネーロンダリング(資金洗浄)に使われています」「あなたに逮捕状が出ています」などと、いきなり衝撃的な内容を告げてパニックに陥れます。そして、「潔白を証明するためには、今すぐ調査に協力する必要があります」と言い、LINEのビデオ通話に誘導します。

ビデオ通話に繋ぐと、画面越しに制服を着た警察官らしき人物や、精巧に偽造された警察手帳、逮捕状を見せつけられます。これで被害者は「本物の警察だ」と完全に信じ込んでしまうのです。最終的には「調査が終わるまで資金を保全する」という名目で、指定した口座への送金を要求してきます。

警察庁も注意喚起しています
冷静に考えてみてください。警察が捜査の過程で、個人の携帯電話(070)を使って逮捕の話をしたり、ビデオ通話で取り調べを行ったり、ましてや金銭の振込を要求したりすることは絶対にありません。

(出典:警察庁『警察官をかたる詐欺の手口について』)

もし070番号から警察を名乗る電話がかかってきたら、「所属と名前を教えてください。一度切って、警察署の代表電話からかけ直します」と伝えてください。詐欺師はこれを一番嫌がります。そして、教えられた070番号にはかけ直さず、自分でネット検索して調べた警察署の固定電話番号にかけて確認すれば、それが嘘であることが一発でわかります。

自動音声ガイダンスの070には出ない

「NTTファイナンスです。未納料金があります。法的措置に移行します…」といった自動音声(ロボコール)も、070番号から発信されることが増えています。これは、コンピュータープログラムを使って無作為に大量の電話番号へ発信できるシステムが悪用されているためです。

この手口の怖いところは、「未納」「裁判」「利用停止」といった恐怖心を煽る言葉を並べ立て、焦った相手に「オペレーターにお繋ぎする場合は『1』を押してください」とアクションを迫る点です。ここで『1』を押してしまうと、待機していた詐欺師(人間)に電話が繋がり、そこからは言葉巧みにコンビニでのギフトカード購入などを指示されてしまいます。

覚えておいてください。NTTや大手携帯キャリア、電力会社などの正規の企業が、料金滞納などの重要な督促連絡を、070発信の自動音声だけで済ませることはまずありません。必ず書面(封書・ハガキ)での通知が届くはずです。自動音声がかかってきた時点で、それは100%詐欺だと判断して即座に電話を切って大丈夫です。

電話番号検索で070の相手を特定する

「知らない番号だけど、もしかしたら採用面接の連絡かも…」「役所からの重要な電話だったらどうしよう…」と迷った時に、あなたの最強の味方となるのが、GoogleやYahoo!での「電話番号検索」です。これは誰でも無料でできる、一種のデジタル探偵ごっこ(OSINT)です。

スマホのブラウザを開き、検索窓に「070-XXXX-XXXX」と、かかってきた番号をそのまま入力して検索してみてください。多くの場合、「jpnumber」や「電話帳ナビ」といった電話番号口コミサイトが検索結果の上位に表示されます。

検索結果 判断の目安と対応アクション
配送業者名が出る 「ヤマト運輸ドライバー」などの口コミがあれば安全です。荷物を待っているならすぐに折り返しましょう。
「詐欺」「迷惑」の口コミ 「不動産投資の勧誘」「ワン切り」などの書き込みが多数あれば危険です。即座に着信拒否リストに入れましょう。
検索結果なし 個人の携帯電話か、使われ始めたばかりの新しい番号の可能性が高いです。詐欺業者は番号を使い捨てにするため、情報がないこともあります。この場合は「様子見」が賢明です。

私は知らない070着信があったら、出る前に必ずこの「番号検索」を行うクセをつけています。これだけで、不要なトラブルの9割は回避できるといっても過言ではありません。もし検索しても情報が出ず、それでも気になる場合は、非通知設定(番号の頭に184をつける)で折り返して、相手が名乗るか確認するという裏技もありますが、基本的には検索して情報が出ない番号には触れないのが一番安全です。

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