「目元に直接触れるものだから、やっぱり品質の確かな日本製を選びたい」
毎日のメイクで使うアイテム、特にデリケートな目の周りに使うものに関しては、そう考えるのが自然です。
しかし、探せど探せど見つかるのは海外製の表記ばかり。「日本製」と書かれたグルー(接着剤)は見つかっても、肝心のマグネットつけまつげ本体で日本製のものを見つけることは困難です。100均のダイソーやセリアにある手軽なものから、ドン・キホーテで華やかに陳列されている商品、さらにはネット通販のランキング上位に君臨する人気アイテムまで、そのほとんどが実は日本製ではありません。
「じゃあ、どれを使えば安全なの?」「海外製を使って、もし目にトラブルが起きたらどうしよう…」そんな不安を抱えているあなたへ。この記事では、なぜ市場から日本製が消えてしまったのかという業界の裏事情から、医師も警告するMRI検査時の危険性、そして「日本製基準で管理された」本当に安全な製品の選び方までお話しします。
【この記事で分かること】
- 市場に出回る製品の製造国と品質管理の実態
- MRI検査や金属アレルギーに関する重大なリスク
- 初心者でも失敗しない選び方と推奨ブランド
- 浮かないための装着テクニックと長持ちさせるコツ
マグネットつけまつげの日本の製需要と市場の真実

私たちが「日本製」という言葉に求めているのは、単なる製造場所の情報ではなく、「安全性」「壊れにくさ」「繊細な作り」といった品質への信頼ですよね。しかし、現在のつけまつげ市場において、この期待と現実は少し複雑な関係にあります。まずは、なぜこれほどまでに日本製が見つからないのか、その背景にある産業構造から紐解いていきましょう。
日本製が市場にほとんどない理由と背景
結論から申し上げますと、現在日本国内で流通しているマグネットつけまつげの99%以上は海外製(主に中国製)であると言っても過言ではありません。これには、決して「コスト削減」だけではない、もっと深い技術的な理由が存在します。
かつて、昭和の時代には日本国内にも多くのつけまつげ工場がありました。しかし、つけまつげの製造、特にマグネット式のように「髪の毛よりも細い繊維の根元に、極小の磁石を正確な角度で固定する」という工程は、機械化が難しく、熟練した職人による手作業に依存する部分が非常に大きいのです。この高度な手工業技術は、長い年月をかけて中国やベトナム、インドネシアといった国々へ移転・集積されていきました。
特に中国の深セン周辺などは、今や「世界の工場」としてだけでなく、最先端の美容ガジェットの開発拠点となっています。最新の「超軽量マグネット」や「形状記憶ポリマー」といった技術は、日本国内よりも海外のサプライチェーンの方が圧倒的に進んでいるのが実情です。
知っておきたい業界の常識
日本の老舗メーカーである「コージー本舗」や「D-UP(ディーアップ)」といった信頼あるブランドでさえ、主力製品のつけまつげ本体の製造拠点は海外に置いています。つまり、パッケージに日本の会社名が書いてあっても、中身は海外で作られているのがスタンダードなのです。
したがって、「日本製=高品質、海外製=低品質」という古い図式で判断してしまうと、最新技術が搭載された本当に良い製品を見逃してしまうことになります。重要なのは「どこの国で作ったか」ではなく、「どこの国の基準で品質管理(検品)されているか」や「医療用グレードの素材を使っているか」という点にシフトして考える必要があるのです。
安心して使えるおすすめ人気ランキング
「日本製がないことは分かったけど、じゃあ具体的にどれを選べば失敗しないの?」という疑問にお答えするために、私が実際に購入して、素材の安全性・装着のしやすさ・仕上がりの自然さを徹底比較しました。特に「日本人が安心して使える品質」という観点で厳選したランキングをご紹介します。
| 順位 | ブランド名 | 特徴・スペック | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| 1位 | WOSADO(ウォサド) | 医療用グレード素材を採用。 独自技術「R-SLM」で超軽量化を実現。 抗菌加工済みで衛生面も安心。 |
品質と安全性を最優先したい方 アレルギーが心配な方 |
| 2位 | MLEN DIARY | 専用の装着クリップが優秀。 デザインのバリエーションが豊富。 軟磁性マグネットでフィット感良し。 |
不器用で装着に自信がない方 色々なデザインを試したい方 |
| 3位 | KISS NEW YORK | マグネットライナーとの併用タイプ。 ドン・キホーテ等の実店舗で入手容易。 化粧品基準をクリアしたライナー。 |
アイラインをしっかり引く派の方 手軽に店舗で買いたい方 |
特筆すべきは、1位のWOSADO(ウォサド)です。中国ブランドではありますが、開発段階から日本市場をターゲットにしており、使用されている素材は「医療用グレード」。さらに、日本人スタッフによるカスタマーサポート体制も整っています。「日本製」というラベルがなくとも、実質的に日本人が求める品質水準を完全に満たしている稀有なブランドだと言えます。
2位のMLEN DIARYは、装着の難易度を下げるための「補助ツール」が非常に充実しています。「3秒装着」というキャッチコピーの通り、慣れればメイク時間が劇的に短縮できるのが魅力です。
実際のユーザーによる口コミと評判を分析
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ネット上の口コミサイトやSNSをリサーチしていると、マグネットつけまつげに対する評価は、まさに「賛否両論」が激しく分かれています。なぜこれほど評価が割れるのか、その原因を深掘りしてみると、ある共通点が見えてきました。
まず、悪い口コミで圧倒的に多いのが以下の2点です。
「目頭や目尻が浮いてきて不自然」
「装着が難しすぎて、朝の忙しい時間にイライラして捨てた」
これらに対し、良い口コミでは以下のような声が挙がっています。
「最初は練習が必要だったけど、3回目でコツを掴んだら手放せなくなった」
「グルーで自まつげが抜けるストレスから解放された」
「夕方になっても取れないし、パンダ目にもならない」
この対照的な意見から分かることは、製品自体の良し悪し以前に、「個人の目のカーブとの相性」と「初期の練習量」が満足度を大きく左右しているという事実です。
口コミ分析から導き出した成功の秘訣
多くの「失敗した」ユーザーは、開封してそのままの状態で装着しようとしています。一方で「成功した」ユーザーは、自分の目の幅に合わせてカットしたり、軸を曲げて柔らかくしたりといった「自分仕様へのカスタマイズ」を行っています。このひと手間を惜しまないことが、マグネットつけまつげ攻略の鍵と言えるでしょう。
100均やダイソー製品の品質と実力
「マグネットつけまつげがどんなものか、まずは安く試してみたい」と考えた時、真っ先に思い浮かぶのがダイソーやセリア、キャンドゥといった100円ショップの製品です。
100均のマグネットつけまつげ(多くは税込330円〜550円の商品ライン)の実力について、正直にお伝えします。結論から言うと、「お試し用の練習機」としては優秀ですが、「日常使いのメイン機」にするには少々厳しいというのが私の感想です。
具体的なメリットとしては、やはりその圧倒的な安さです。壊しても惜しくないので、ハサミで切って長さを調整したり、装着の練習を繰り返したりするには最適です。しかし、デメリットとして以下の点が挙げられます。
- マグネットが大きい:高価格帯のものに比べて磁石が目立ちやすく、伏し目になった時に「何か付いている」のがバレやすい。
- 軸(バンド)が硬い:柔軟性が低いため、まぶたのカーブに追従しにくく、特に目頭部分が浮きやすい。
- デザインが単調:毛の質感がやや人工的で、テカリが気になる場合がある。
もしあなたが「自分にマグネット式を装着する器用さがあるかどうか」をテストしたいのであれば、100均製品は素晴らしい教材になります。そこで感覚を掴んでから、WOSADOなどの高品質な製品へステップアップするのが、最も無駄のない賢いルートだと私は思います。
ドンキで購入可能な人気商品の特徴
深夜まで営業していて便利なドン・キホーテ。コスメコーナーに行くと、ネット通販とはまた違ったラインナップでマグネットつけまつげが並んでいます。ここで特に目立つのが、「KISS NEW YORK」などを中心とした「マグネットライナータイプ(磁気吸着式)」の製品群です。
自まつげを磁石で挟み込む「サンドイッチタイプ」とは異なり、このライナータイプは、鉄粉(磁性体)を含んだ専用のアイライナーをまぶたに引き、そのラインの上に磁石付きのつけまつげを「ピタッ」と貼り付ける仕組みです。
このタイプの最大の特徴は、「アイラインを引く感覚で装着できる」という直感的な操作性です。「挟む」という動作が必要ないため、不器用な方でも位置合わせが非常に簡単。失敗しても、アイラインの線上であれば何度でも位置を微調整できるのが強みです。
購入前に確認すべき注意点
ライナータイプは便利ですが、専用のアイライナーには磁石をくっつけるための成分が含まれており、一般的なクレンジングでは落ちにくいことがあります。また、人によってはこの成分が肌に合わず、かゆみを感じることも。肌が弱い方は、必ずパッチテストを行ってから使用することをおすすめします。
日本製以外のマグネットつけまつげは危険なのか

さて、ここからがこの記事の核心部分です。「海外製だから品質が悪い」という話ではなく、マグネットつけまつげという製品の構造上、私たちが知っておかなければならない医学的なリスクについてお話しします。おしゃれを楽しむためには、まず自分の体を守る知識を持つことが不可欠です。
MRI検査時の危険性と絶対的な注意点
これは、マグネットつけまつげを使用するすべての方に絶対に覚えておいていただきたい、最も重要な警告です。MRI検査(磁気共鳴画像診断)を受ける際は、必ず事前にマグネットつけまつげを完全に取り外してください。
MRIは、巨大な磁石のトンネルに入って体の断面を撮影する検査です。その磁力は一般的な磁石の数万倍とも言われる凄まじいものです。もし、マグネットつけまつげを装着したまま、あるいは磁性体を含むアイライナーを引いたまま検査室に入ると、以下のような重大な事故につながる恐れがあります。
- 火傷(熱傷):MRI装置が出す電波によって金属部分に電流が流れ、高熱を発してまぶたを火傷するリスクがあります。
- 物理的な損傷:強力な磁力によってつけまつげが引っ張られ、眼球や角膜を傷つけたり、最悪の場合は装置の方へ飛んでいったりする危険性があります。
- 画像の乱れ(アーチファクト):目元の金属が磁場を乱し、脳や眼窩周辺の画像が歪んでしまい、病変を見落とす原因になります。
「今日は薄いメイクだから大丈夫」「言わなければバレない」という自己判断は禁物です。医療機関では、検査前に必ず「メイクやコンタクトレンズ」の有無を確認されますが、これは単なる形式ではなく、あなたの安全を守るための手続きなのです。
(出典:日本磁気共鳴医学会『MRI安全性に関するガイドライン』)
金属アレルギーのリスクと安全な選び方
マグネットつけまつげの核となる「磁石」は、当然ながら金属です。多くの製品には強力な「ネオジム磁石」が使われていますが、これらは錆びやすいため、表面にニッケルなどのメッキ加工が施されていることが一般的です。
問題は、この「ニッケル」が金属アレルギーの原因になりやすい物質の代表格であることです。まぶたは皮膚が非常に薄く、汗や涙で金属イオンが溶け出しやすい環境にあるため、ネックレスやピアスでは大丈夫でも、目元では反応が出てしまうことがあります。
赤み、かゆみ、腫れといった接触性皮膚炎の症状を避けるためには、以下のポイントをチェックして製品を選ぶことが重要です。
- 樹脂コーティングの有無:磁石が直接肌に触れないよう、樹脂やプラスチックで完全に覆われているか。
- 医療用グレードの表記:「サージカルステンレス」や、アレルギー対応のコーティングが施された「医療用グレード」の素材を使用しているか。
- サンドイッチタイプの活用:ライナータイプは液剤自体に金属粉が含まれているため、アレルギー体質の方は物理的に挟むサンドイッチタイプの方が、肌への薬剤接触リスクを減らせる場合があります。
事前に知っておくべきデメリットと対処法
ここからはデメリットについてお話しします。最大の懸念点は、やはり「まぶたへの重量負担」です。
サンドイッチタイプのマグネットつけまつげは、自まつげを上下2枚のパーツで挟み込みます。最近の製品は軽量化が進んでいるとはいえ、従来のつけまつげ(1枚)に比べれば、単純計算で2倍の重さが自まつげの根元にかかることになります。
これを毎日、朝から晩まで365日使い続けるとどうなるでしょうか。常にまぶたに重りがぶら下がっている状態になるため、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉が伸びてしまい、将来的に「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という、まぶたが下がって目が開きにくくなる症状を引き起こすリスクが指摘されています。
対処法は「メリハリ」です。
「仕事の日はマスカラだけ、週末のデートやイベントの時だけマグネットつけまつげ」というように、目元を休ませる日を作ることが大切です。また、帰宅したらすぐに外す習慣をつけるだけでも、まぶたへの負担は大きく軽減できます。
初心者でも失敗しない正しい使い方のコツ
「せっかく買ったのに、どうしても上手くつけられない!」そんな悲しい事態を防ぐために、「失敗しないための儀式」とも言えるコツを伝授します。説明書にはあまり書かれていない、リアルな裏技です。
装着前の「バンドマッサージ」が命運を分ける!
新品のつけまつげを取り出した時、その軸(バンド)はピンと真っ直ぐで硬い状態です。このまま装着しようとしても、丸いまぶたには絶対に馴染みません。
装着前に、両手でつけまつげの両端を持ち、指の腹で優しくクネクネと10回〜20回ほど曲げ伸ばしをしてください。こうすることで軸が柔らかくなり、まぶたの曲線に吸い付くようにフィットするようになります。
さらに、もう一つのポイントは「トリミング(カット)」です。海外製の製品は、日本人の目の幅よりも横に長いことがほとんどです。目尻や目頭のマグネットがはみ出していると、そこから浮いてきてしまいます。
躊躇せず、自分の目の幅に合わせて端のマグネット1つ分をハサミでカットしてください。これだけで、「浮き」の悩みは8割解決すると言っても過言ではありません。
一重や奥二重でも取れない装着の裏技
一重まぶたや奥二重の方からよく聞くお悩みが、「まぶたの厚みでまつげが押されて、すぐに外れてしまう」というものです。実はこれ、「ビューラーで自まつげを上げすぎている」ことが原因かもしれません。
通常のメイクでは「まずビューラーでしっかり上げる」のが常識ですが、マグネットつけまつげの場合は逆効果になることがあります。上げた自まつげが厚いまぶたに押されて下がろうとする力と、つけまつげのカールが反発しあって、マグネットが弾け飛んでしまうのです。
そこで試してほしいのが、「あえてビューラーをせずに装着する」という逆転の発想です。
自まつげが下を向いた「すだれまつげ」の状態でマグネットつけまつげを装着します。こうすると、根元のマグネットが安定しやすくなります。装着した後で、ホットビューラーを使って自まつげとつけまつげを一緒に軽く持ち上げれば、驚くほど自然で、かつ一日中取れない強力な固定力が手に入ります。ぜひ一度試してみてください。
マグネットつけまつげは日本製基準の品質を選ぶ
市場の現実からリスク管理、そして実践的なテクニックまでをお伝えしました。
結論として、「純粋な日本製」のマグネットつけまつげを見つけることは、現状ではほぼ不可能です。しかし、だからといって「安全な製品がない」と諦める必要はありません。大切なのは、パッケージに書かれた「日本製」という文字に固執するのではなく、「日本人が安心して使える品質基準(医療用グレード素材、厳格な検品、日本語サポート)」をクリアしているかどうかを、自分の目で見極めることです。
WOSADOのような信頼性の高いブランドを選び、正しい知識を持って使用すれば、マグネットつけまつげはあなたの目元を劇的に、そして安全に変えてくれる素晴らしいパートナーになります。グルーのストレスから解放された新しいメイク体験を、ぜひあなたも楽しんでくださいね。

