女性が育休を取らない理由!そこにはキャリアと経済的な背景がある

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出産という大きなライフイベントを前に、「育休は取るべきか?それとも取らなくてもいい?」と悩む女性は少なくありません。そもそも、現在の日本において育休を取らない女性の割合はどのくらいなのでしょうか。

キャリアの中断や収入の減少を考えると、育休取らないと損なのか、それとも取らない方が得なのか、判断が難しい問題です。例えば、手取り20万だと育休中の収入はいくらになるのか、具体的なシミュレーションをしたい方もいるでしょう。

職場によっては、いまだに取りにくい雰囲気や、上司から「取れない」と言われた場合の対処法に悩むケースもあります。また、法律で定められた産休だけ取って育休は取らないケースも存在します。

この記事では、育休を取らないメリットとは何か、そしてテレワークと育児の両立は可能なのか、といった現代的な働き方の選択肢も探ります。さらに、保育園の確保と復帰のタイミングという現実的な課題から、最終的に育休取らずに復帰または退職する選択に至るまでの、女性たちのリアルな背景を紐解いていきます。

【この記事で分かること】

  • 育休を取得しない女性の割合と主な理由
  • 育休を取らない場合のメリットとデメリット
  • 育休中の収入や手当に関する具体的な情報
  • 職場環境の問題や代替案としての働き方

育休を取らない理由、女性の現状と背景

  • 育休を取らない女性の割合は?
  • 育休は取るべきか?取らなくてもいい?
  • 育休取らないと損?手取り20万だといくら?
  • 取りにくい雰囲気や取れないと言われた場合
  • 産休取って育休取らないケース

育休を取らない女性の割合は?

女性の育児休業取得が一般的になった現代においても、さまざまな理由から育休を取得しない、あるいはできない女性が一定数存在します。この決断の背景を理解するため、まずは客観的なデータから現状を把握することが大切です。

厚生労働省が公表している「雇用均等基本調査」によると、女性の育児休業取得率は長年80%を超える高い水準で推移しています。例えば、令和4年度の調査では80.2%の女性が育休を取得しました。この数字だけを見ると、ほとんどの女性が当たり前に育休を取っているように見えます。政府も男性の育休取得率向上を目標に掲げるなど、国全体として育休取得を推進している流れがあります。

しかし、このデータを逆から見ると、約20%、つまり5人に1人の働く女性は出産しても育児休業を取得していない、という事実が浮かび上がります。この中には、もともと取得するつもりがなかった方だけでなく、キャリアや経済的な事情、職場の環境など、何らかの外部要因によって取得を断念した方も含まれていると考えられます。

また、雇用形態によっても取得率には大きな差があります。正社員である女性の取得率は高い傾向にありますが、パートタイマーや契約社員といった非正規雇用の女性の場合、取得率が著しく低くなるのが現状です。

これは、育休取得の申し出には「同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている」などの要件があることや、雇用の不安定さから「休んだら契約を更新してもらえないかもしれない」という不安を感じ、申し出自体をためらってしまう実態が背景にあるためです。

このように、育休を取得しない女性は決して少数派ではなく、その背景には個人の価値観だけでなく、雇用形態や社会的な要因が複雑に絡み合っていると言えるでしょう。

育休は取るべきか?取らなくてもいい?

「育休は取るべきか、それとも取らなくてもいいのか」という問いに、唯一の正解はありません。これは、個人のキャリアプラン、家庭の経済状況、子育てに対する考え方、そしてパートナーの協力体制など、多くの要素を総合的に考慮して判断すべき、非常にパーソナルな問題だからです。

育休を取るべきと考える視点

育休を取得する最大の意義は、出産後の心身の回復と、新生児期という二度と戻らない貴重な時間を子どもとじっくり過ごせる点にあります。産後の母体は、本人が思う以上に大きなダメージを負っており、無理は禁物です。

育休期間は、身体を休ませながら、赤ちゃんとの愛着関係(アタッチメント)をしっかりと築き、母親としての生活リズムに慣れていくための大切な時間となります。また、長期的に見れば、この時期の親子の関わりが子どもの情緒的な安定につながるという専門家の意見もあります。

もちろん、育児休業給付金によって、ある程度の収入が保障されるため、経済的な心配を軽減しながら子育てに専念できるというメリットも見逃せません。

育休を取らなくてもいいと考える視点

一方で、育休を取らないという選択にも、明確な理由があります。最も大きなものは、キャリアの継続です。

特に変化の速い業界や、専門性の高い職種の場合、1年程度のブランクが知識やスキルの陳腐化につながり、復帰後のキャリアに影響することを懸念する声は少なくありません。また、収入の減少を避けたいという経済的な理由や、仕事そのものにやりがいを感じており、社会との繋がりを保ちながら育児をしたいというポジティブな気持ちから、取得しないことを選ぶ人もいます。

中には、数ヶ月程度の短い育休を取得し、心身を回復させた上で早期復帰するという、折衷案を選択する方も増えています。

最終的に大切なのは、周囲の意見や「普通はこうだから」という常識に流されるのではなく、自分と家族が何を最も大切にしたいのかを話し合い、納得のいく決断を下すことです。どちらの選択にもメリットとデメリットが存在するため、両方を天秤にかけ、自分たちのライフプランに合った道を選ぶことが求められます。

育休取らないと損?手取り20万だといくら?

育休を取るかどうかの判断で、最も大きなウェイトを占めるのが経済的な問題です。「育休中の収入が不安」という理由で取得をためらう方もいれば、「制度を使わないと損だ」と考える方もいます。ここでは、具体的な金額をシミュレーションしながら、経済的な側面を解説します。

育児休業給付金の仕組み

育休を取得すると、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。これは非課税であり、さらに育休期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除されるため、額面以上に手元に残る金額のインパクトは大きいと言えます。社会保険料が免除されるのは、子育て世代の経済的負担を軽減するための国の支援策の一つです。

給付額の計算方法は以下の通りです。

  • 育休開始から180日目まで:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

  • 育休開始から181日目以降:休業開始時- 育休開始から181日目以降:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

手取り20万円の場合のシミュレーション

では、仮に月給(額面)が約25万円で、社会保険料などが引かれた後の手取りが20万円の女性を例に考えてみましょう。

期間 育児休業給付金(月額・目安) 社会保険料 手取り(通常勤務時)
通常勤務時 約3万5千円 20万円
育休開始〜6ヶ月 約16万7,500円(25万円×67%) 免除
育休7ヶ月目〜 約12万5,000円(25万円×50%) 免除

この表を見ると、最初の半年間は、給付金だけで約16.7万円が非課税で支給されることがわかります。通常勤務時の手取り20万円から社会保険料の約3.5万円を差し引いた実質的な生活費が16.5万円だったと仮定すると、給付金だけでも生活レベルを大きく変えずに暮らせる可能性があることが見えてきます。

「育休を取らないと損か」という問いに対しては、「直接的な収入は減るが、社会保険料の免除という大きなメリットがあり、可処分所得の減少は額面の数字ほど大きくない。しかし、満額の給与と比較すれば当然収入は減る」というのが正確な答えになります。

この制度を最大限活用するか、あるいは給付金よりも通常勤務の収入を優先するかは、各家庭の経済状況や価値観によって判断が分かれるところです。

取りにくい雰囲気や取れないと言われた場合

法律で育児休業の権利が保障されているにもかかわらず、職場の雰囲気や上司の言動によって、制度の利用をためらわざるを得ない状況は残念ながら存在します。もし、あなたがそのような状況に直面した場合、冷静かつ適切な対応を知っておくことが自分を守るために不可欠です。

「取りにくい雰囲気」への対処法

「うちの部署では前例がない」「あなたが抜けたら仕事が回らない」といった直接的な言葉や、妊娠報告後に無視されたり、嫌な顔をされたりするなどの無言の圧力は、マタニティハラスメント(マタハラ)に該当する可能性があります。

このような場合、まずは一人で抱え込まず、直属の上司だけでなく、人事部や総務部、あるいは信頼できる別の役職者に相談することが第一歩です。

客観的な立場で話を聞いてくれる部署や人物を頼ることが大切になります。また、自身の権利や会社の制度について正確に理解するため、就業規則の育児・介護休業に関する規定を改めて確認しておくことも、冷静な対応につながります。

「取れない」「取らせない」と言われた場合の法的対応

上司などから直接的に「育休は取れない」「代わりの人間がいないから無理だ。辞めてもらうしかない」といった発言をされた場合、それは育児・介護休業法に違反する、極めて悪質な言動です。事業主は、労働者からの育休の申し出を原則として拒否することはできません。

このような違法な対応をされた場合は、以下の対応を検討しましょう。

  1. 言われた内容の記録:いつ、誰に、どのようなことを言われたか、できるだけ具体的にメモや録音で記録を残しておきます。これは後の交渉や相談の際に、自分を守るための重要な証拠となります。

  2. 社内の相談窓口への連絡:前述の通り、まずは人事部やコンプライアンス窓口に報告し、会社としての正式な見解を求めます。

  3. 外部機関への相談:社内での解決が難しい場合は、各都道府県にある「労働局雇用環境・均等部(室)」に相談します。ここでは、法律に基づいた助言や、会社への是正指導(あっせん)を無料で受けることが可能です。

育休取得は法律で認められた労働者の権利です。不当な圧力や発言に対して、泣き寝入りする必要は全くありません。正しい知識を身につけ、適切な場所に相談することで、道は開けるはずです。

産休取って育休取らないケース

出産する女性労働者が取得する休業には、大きく分けて「産前産後休業(産休)」と「育児休業(育休)」の2種類があります。この二つは似ているようで、その性質は全く異なります。そして、この違いを理解することが、「産休は取るが育休は取らない」という選択の背景を知る鍵となります。

産休と育休の法的な違い

まず、「産休」は労働基準法で定められた、母体保護を目的とする休業です。

産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)と産後8週間は、本人が希望すれば休むことができ、特に産後8週間については、医師の許可がない限り、本人が希望しても原則として就業させることはできません。これは、出産という大仕事を終えた母体を回復させるための、法律で定められた必須の休業期間と言えます。

一方、「育休」は育児・介護休業法に基づく、子を養育する労働者のための権利です。原則として子どもが1歳になるまで(特定の条件下では最長2歳まで)取得できますが、これは労働者からの申し出があって初めて成立する、いわば「選択制」の休業です。

育休を取らない具体的な理由

この違いを踏まえると、「産休だけ取って育休は取らない」という選択肢が生まれる理由が見えてきます。

  1. 早期の職場復帰を望むキャリア志向:産後の体調が順調に回復し、担当しているプロジェクトや顧客との関係を途切れさせたくない、一日でも早く仕事の感覚を取り戻したいと考える女性は、法定の産休期間が終了する産後8週間の翌日から復帰することを選びます。

  2. 経済的な理由:前述の通り、育児休業給付金は支給されますが、それでも満額の給与には及びません。少しでも早く満額の収入に戻したいという経済的な事情から、育休を取得しないケースです。

  3. 保育園の入園タイミング:特に0歳児の4月入園を目指す場合、育休を年度の途中で切り上げて復帰する方が入園しやすいという、いわゆる「保活」の戦略的な理由から、育休を短縮、あるいは取得しない選択をする人もいます。

  4. 自営業やフリーランス:雇用保険に加入していない自営業者やフリーランスの場合、育児休業給付金の制度自体が利用できません。そのため、産後の体調を見ながら、取引先との関係を維持するためにも、できるだけ早く仕事に復帰せざるを得ないという切実な事情があります。

このように、「産休は取るが育休は取らない」という選択は、個々のキャリアプランや経済状況、そして保育環境といった、非常に現実的な判断に基づいて行われているのです。

 

育休を取らない理由と女性の選択肢

  • 育休を取らないメリットとは?

  • テレワークと育児の両立

  • 保育園の確保と復帰のタイミング

  • 育休取らずに復帰または退職する選択

  • まとめ:育休を取らない理由と女性の決断

育休を取らないメリットとは?

育児休業を取得しないという選択は、デメリットや不安ばかりが強調されがちですが、もちろん明確なメリットも存在します。この選択をする女性たちは、多くの場合、これらのメリットを重視し、戦略的にキャリアやライフプランを考えています。

キャリア継続とスキル維持

最大のメリットは、キャリアを中断させずに済むことです。特に、技術の進歩が速いIT業界や、常に新しい情報や人脈が求められる営業職、法改正などが頻繁な専門職などでは、1年間のブランクが復帰後のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

育休を取らずに早期復帰することで、仕事の勘を鈍らせることなく、昇進や昇給の機会を逃しにくくなります。また、休業中に自分の存在感が薄れることへの不安を感じることなく、社内での「視認性」を保ち続けることができます。担当していたプロジェクトや顧客を他の人に引き継ぐ必要がなく、継続して関われるという利点もあります。

経済的な安定の維持

次に挙げられるのが、収入が途切れないという経済的なメリットです。育児休業給付金は非常にありがたい制度ですが、給与の満額が支給されるわけではありません。出産や育児には何かと費用がかかるため、世帯収入を減らしたくないという現実的なニーズから、育休を取らない選択をする家庭は少なくありません。

休業による収入減がないため、iDeCoやNISAといった将来のための資産形成を中断することなく続けられるという安心感は、精神的な安定にもつながります。

社会とのつながりの継続

仕事を通じて社会とつながっている感覚や、チームの一員として誰かの役に立っているという実感は、自己肯定感を高める上で大切な要素です。育児に専念する期間ももちろん尊いものですが、人によっては社会から孤立しているような感覚に陥ることもあります。

早期に職場復帰することで、同僚との日々のコミュニケーションを維持し、社会の一員としてのアイデンティティを保ちやすいという心理的なメリットも、見過ごすことはできません。

これらのメリットは、個人の価値観やキャリアへの考え方によって、その重要度が大きく変わります。育休を取らない選択は、決してネガティブなものではなく、自身の人生を主体的に設計するためのポジティブな決断の一つなのです。

テレワークと育児の両立

近年、働き方の選択肢として急速に普及したテレワーク(在宅勤務)は、育休を取らずに早期復帰を目指す女性にとって、大きな可能性を秘めた働き方です。通勤時間がなくなることで、これまで移動に使っていた時間を育児や家事に充てることができ、仕事と家庭の両立のハードルを下げることが期待されます。

テレワークがもたらす両立のメリット

テレワークの最大の利点は、その柔軟性にあります。例えば、子どもの急な発熱や体調不良の際も、病院に連れて行き、家で様子を見ながら仕事を続けるといった対応が可能になります。また、仕事の合間に少しだけ家事を進めたり、昼休みに子どもと触れ合う時間を作ったりと、時間を細切れに活用できるのも大きな魅力です。

オフィス勤務では物理的に不可能だった「仕事」と「育児」のシームレスな連携が、テレワークによって実現しやすくなるのです。

両立における課題と注意点

しかし、テレワークと育児の両立は、決して簡単なことではありません。特に、乳幼児を在宅で保育しながら仕事に集中するのは、想像以上に困難を伴います。

  • 公私の境界線が曖昧になる:自宅が職場になるため、オンとオフの切り替えが難しく、結果として長時間労働につながる可能性があります。

  • 集中力の維持が困難:子どものお世話や要求に常に対応していると、まとまった作業時間を確保するのが難しく、生産性が低下する恐れがあります。

  • コミュニケーション不足と孤立:同僚と顔を合わせる機会が減ることで、業務上の細かな情報共有が滞ったり、社会的な孤立感を感じたりすることがあります。

  • 物理的な環境:子どもがいる生活空間の中で、静かで集中できる仕事専用のスペースを確保することが難しい場合もあります。

テレワークを成功させるためには、パートナーとの徹底した役割分担や、ベビーシッターやファミリーサポートといった外部サービスの活用、そして何よりも会社の理解と協力が不可欠です。

単に「家で働ける」というだけでなく、フレックスタイム制度の活用や、業務量の調整、コアタイム以外の時間についての柔軟な対応など、会社側のサポート体制が整っているかどうかが、両立の成否を分ける鍵となります。

保育園の確保と復帰のタイミング

「育休を取らない」あるいは「短期間で切り上げる」という決断の裏には、しばしば「保活」、つまり保育園への入園活動という極めて現実的で切実な問題が横たわっています。希望するタイミングで子どもを保育園に預けられるかどうかは、女性が仕事に復帰する上での最大の障壁の一つであり、育休の取得期間を左右する重要な要素です。

都市部における「保活」の現状

特に都市部では、待機児童問題が依然として深刻です。認可保育園への入園は、自治体が定める基準に基づいた「点数(指数)」の高い世帯から優先的に決まります。

この点数は、両親の就労状況(常勤か非常勤か、就労時間など)や、ひとり親家庭であるか、兄弟が在園しているかといった家庭環境などによって算出され、1点の差が入園の可否を分ける厳しい世界です。

多くの自治体では、いわゆる「求職中」よりも「就労中」の方が点数が高く設定されています。そのため、育休を長く取るよりも、早期に復帰して「就労中」のステータスを得る方が、入園選考で有利になる場合があるのです。

復帰タイミングの戦略「0歳児4月入園」

保育園の入園において、最も定員枠が大きく、入園しやすいとされるのが「0歳児クラスの4月入園」です。1歳児クラスになると、0歳児クラスからの進級組で定員のほとんどが埋まってしまい、新規の入園枠が極端に少なくなる傾向があります。

このことから、子どもが1歳になるのを待って育休を終えるのではなく、あえて年度の切り替わりである4月に合わせて、生後数ヶ月で子どもを預けて仕事に復帰するという戦略を選ぶ女性が少なくありません。

例えば、夏生まれの子どもの場合、翌年の4月には生後8ヶ月程度ですが、1歳の誕生日を待たずにこのタイミングで復帰する、というケースです。このためには、妊娠中から保育園の情報収集を始め、見学に行くなど、周到な準備が求められます。

このように、育休の取得期間は、子どもの成長をそばで見守りたいという気持ちだけでなく、「希望の保育園に入るためにはいつ復帰するのがベストか」という、保活のスケジュールから逆算して決定されるという側面も持っています。

育休取らずに復帰または退職する選択

出産後、育児休業を取得せずに、早期に職場復帰するか、あるいは退職して一度キャリアをリセットするかは、女性にとって非常に大きな決断です。どちらの道を選ぶかは、その後の人生設計に大きな影響を与えます。

育休取らずに「復帰」する道

これまでの項目で解説してきたように、育休を取らずに早期復帰する選択は、主にキャリアの継続、経済的な安定、そして保育園入園の戦略といった理由からなされます。

この道を選ぶ女性は、仕事に対する強い意欲や責任感を持ち、パートナーや両親、あるいはベビーシッターや家事代行サービスといった外部のサポートを最大限に活用しながら、仕事と育児を両立させていくことになります。

この選択のメリットは、キャリアのブランクを最小限に抑えられることですが、デメリットとしては、産後の心身が十分に回復しないうちから仕事と育児の二重生活に突入するため、肉体的・精神的な負担が極めて大きくなる可能性が挙げられます。

成功のためには、完璧を目指さず、無理をしすぎないこと、そして周囲に助けを求めることをためらわない姿勢が大切になります。

育休取らずに「退職」する道

一方で、育休を取得せずにそのまま退職するという選択もあります。この決断の背景には、様々な理由が考えられます。

  • 育児への専念:キャリアよりも、今は子育てに集中したいという価値観の変化。

  • 保育園の問題:子どもを預ける場所が見つからず、物理的に復帰が不可能になった。

  • 職場の環境:育児との両立に理解がなく、復帰後の働き方に不安を感じた。いわゆるマタニティハラスメントが原因で、会社への信頼を失ったケースも含まれます。

  • キャリアチェンジ:出産を機に自身のキャリアを見つめ直し、元の職場に戻るのではなく、より柔軟な働き方ができるフリーランスへの転身や、新しい分野への挑戦を決意した。中には、育児期間を新しいスキルを学ぶための「自己投資期間」と捉え、オンライン講座などで学び直しをする人もいます。

退職は、収入が途絶え、社会との接点が減るというデメリットがありますが、時間に追われることなく育児に専念できるという大きなメリットもあります。また、一度キャリアをリセットし、自分にとって最適な働き方を再構築する良い機会と捉えることもできます。

どちらの選択が正しいということはありません。重要なのは、自分自身の心と体の声に耳を傾け、家族と十分に話し合い、将来を見据えた上で、後悔のない決断をすることです。

まとめ:育休を取らない理由と女性の決断

  • 育休を取らない女性は約2割存在し決して少数派ではない
  • 育休を取るか否かは個人の価値観や状況で決めるべき問題
  • キャリアの中断を避けたいという理由が最も大きい
  • 育休中の収入減を懸念し早期復帰を選ぶ人もいる
  • 育児休業給付金と社会保険料免除で手取りの減少は緩和される
  • 「取りにくい雰囲気」は社内や外部の窓口に相談することが重要
  • 上司から「取れない」と言われたらそれは法律違反の可能性がある
  • 産休は母体保護のための義務、育休は子育てのための権利
  • 育休を取らないメリットはキャリアと経済的な安定の維持
  • テレワークは両立の助けになるが集中力の維持が課題
  • 保育園入園の戦略として「0歳児4月入園」は重要な要素
  • 育休を取らずに復帰する道は心身の負担が大きいことを覚悟する
  • 育児への専念やキャリアチェンジのために退職を選ぶ人もいる
  • 非正規雇用の場合、育休取得のハードルがより高くなる傾向
  • 自分のキャリアプランと家族の形を総合的に考えて判断することが大切
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